原田宗典『十七歳だった!』(集英社文庫)

原田宗典『十七歳だった!』(集英社文庫)原田宗典『十七歳だった!』を読んだ。

サクっと読めてププっと笑える本が読みたくなってこれを選んだ。実に今更な選択だ。著名も著名、超人気作家の定番エッセイなのだから、知っていながら今まで読んでいなかったことの方が問題だ。

原田宗典は小説は勿論、エッセイの評判がすこぶる高い。

なるほど、人に優しい文章だ。いかにも平易で気軽な言葉が使われている。お陰で人の馬鹿話にフンフンと聞き入っているような感覚で読める。これは明らかに小説の文体ではない。けれども、くだけた言葉をふんだんに使いながら、文章自体はとても端整。流石はプロの人気作家だと思う。いや、たとえプロでもエッセイが巧いとは限らないだろう。これはこれでまた別の才能なのかもしれない。だとすれば、ずいぶんと器用な作家だ。

こういう著作を読むと、ぼくも読みやすくて楽しいブログを、なんて思ったりする。けれども、書いてみてガッカリ。実に分不相応だったと肩を落とすことになる。好きと上手は比例しないものだ。

素人は素人らしく自分日記でいいじゃないか。高望みはすまい。結局そんなところに落ち着く。

原田宗典が手本ではハードルが高過ぎた。

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